ロードレース1週間前から前日・直後までの食事戦略

自転車

数10km、もしくは100km以上に及ぶロードレース、ひたすら高強度を繰り返すクリテリウム、淡々と一定の強度で自転車を進めるヒルクライム……自転車競技には様々な種類のレースがあります。せっかくの練習を無駄にしないよう、当日は最高のパフォーマンスを発揮したいですよね。そのためにも、レース前後の食事管理は非常に重要です。とはいえ、普段とは全く違う食事をとる必要があるわけではありません。ちょっとしたコツや注意点を押さえておくだけでも、大きな差が生まれます。しっかり準備して、楽しいレースを迎えましょう!

レース1週間前〜当日

1週間前〜4日前:ベースづくりを意識しながら栄養バランスを整える

レースの約1週間前から、少しずつ身体にエネルギーを貯めるための準備を始めましょう。この期間で、無理な増量や減量は禁物です。大会までに怪我や体調不良を招くリスクがあるため、「食事の質」と「十分な休養」を第一に考えましょう。

  • 炭水化物を少し増やす
    普段の食事から炭水化物(ご飯、パン、パスタなど)の比率を気持ち多めにするだけでも、筋肉と肝臓のグリコーゲン量を増やせます。
  • たんぱく質をまんべんなく摂る
    この期間は練習量は減らすと思いますが、筋肉の修復・維持のため、タンパク質をしっかりと摂りましょう。肉・魚・卵・大豆製品など、種類を絞らずまんべんなく食べましょう。
  • 野菜・果物の摂取を忘れない
    ビタミンやミネラルは疲労回復と免疫力維持に直結します。特にミネラルは汗とともに失われやすいので、1週間前からしっかり補給しておきたいところです。
  • 水分はこまめに
    夏でも冬でも関係なく、トレーニングではかなりの水分を失います。意識的に水やスポーツドリンクを摂り、軽い脱水を常に避けるよう心がけましょう。
しぐま
しぐま

レース関係なく、普段から大事なことですね!

ここで挙げたのは、特別な食事ではなく、至って普通で、普段から気をつけるべき食事です。バランスの良い食事を摂り、疲れを残さないようにしましょう。

3日前〜前日:カーボローディングと胃腸への負担を抑える工夫

持久系競技でよく知られるカーボローディング(グリコーゲンローディング)は、炭水化物を意図的に多めに摂取することで筋肉内にエネルギーをより多く蓄える手法です。3日前から前日までの食事で炭水化物の比率を高めます。ただし、大量に食べれば良いわけではないので、以下のポイントを意識してください。

  • 炭水化物の比率をアップ
    普段の食事で、おかずの割合を減らし、炭水化物を増やします。炭水化物を7〜8割ほどにするのが一般的ですが、難しければもう少し控えめにしても良いでしょう。
  • 揚げ物や脂質の多い食事を控えめに
    油脂分が多いもの、消化に時間がかかるものは控えましょう。特にラーメンなどはNGです(笑)
  • 生ものは控える
    刺身や生肉など、十分に加熱されていない食品はお腹を壊すリスクがあります。大会直前は加熱調理された食品を中心に摂るようにしましょう。

上記のポイントを押さえ、無理なくカーボローディングを行うことを心がけてください。炭水化物の量・割合は本当に無理しないようにしましょう。

しぐま
しぐま

私はお茶碗3杯くらいは食べます(笑) ちなみにおかずは鶏胸肉が多いです

当日朝:エネルギーを確保しながら胃もたれを防ぐ

当日は、スタート時間から3時間前に朝食を摂り終えるのが理想です。消化しやすいメニューを中心にしつつ、少量ずつ複数回に分けるのも一つの方法となります。

  • 炭水化物は消化の良いものを
    お米、バナナがおすすめです。温かい味噌汁やスープもあれば、身体が温まり消化も促進されます。
  • たんぱく質は控えめに
    卵や魚などを少量摂るのはOKですが、脂の多い肉や揚げ物は避けたほうが無難。胃腸をスッキリさせて出走したいところです。
  • 水分補給を忘れずに
    カフェイン入りの飲み物を好む場合は利尿作用に注意。スポーツドリンクや水なども合わせ、脱水を防ぎましょう。

ヒルクライムなどの場合、スタートから高負荷になることが多いので、出走直前にもエネルギージェルやバナナなどを補給して、エネルギー切れを避ける工夫をすると安心です。

サプリメント・補給食の活用

レース経験によらず、練習量が増えるとサプリメントや補給食が有効だと感じる場面が増えてきます。とはいえ、自分に合ったものを見極めるために、普段の練習から試しておくことが鉄則です。レース本番で初めて使うのはリスクが高いので注意してください。

  • エネルギージェル・バー
    レース中の素早い補給に便利です。胃腸との相性を見極めるために、長めの練習や試走時から使い慣れておきましょう。
  • BCAA・EAA(必須アミノ酸)
    レースや高負荷トレーニングでの筋肉分解を抑え、疲労回復を助けてくれます。長時間のレースやアップダウンの激しいコースで特に効果的です。

いずれも身体との相性を事前にチェックし、安心して使えるものを選ぶようにしましょう。

レース後

レース当日に全力を出し切った身体は、エネルギーや筋肉の一部をかなり消耗しています。運動直後の30分〜1時間は「回復のゴールデンタイム」と言われており、この時間帯に適切な栄養を補給することで疲労回復を早め、次のトレーニングやレースへの準備がスムーズになります。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 炭水化物でグリコーゲンを早めにリカバリー
    レース中に枯渇しかけた筋肉と肝臓のグリコーゲンを、素早く補給することが大切です。おにぎりやパン、エネルギーバーなど、手軽な炭水化物を用意しておくと安心です。
  • たんぱく質で筋肉の修復をサポート
    レース後は筋繊維が微細なダメージを受けている状態。プロテインやアミノ酸サプリ、あるいは肉・魚・大豆製品などを早めに摂取することで修復を促進します。
  • 水分とミネラルの補給
    発汗による脱水や電解質不足が進んでいる可能性が高いです。スポーツドリンクや経口補水液、ミネラル豊富な食材を摂って、身体のバランスを元に戻していきましょう。
  • クエン酸やビタミンで疲労回復に拍車をかける
    レモンや柑橘類、梅干しなどからクエン酸を摂取したり、ビタミンB群を含む食品で代謝を促進するのも効果的です。

ゴール後すぐに食欲がない場合でも、ゼリー飲料やエネルギージェルなどを使って少しずつ栄養を補給しておくと、その後の回復がかなりスムーズに進みます。レース直後の栄養補給をスルーしてしまうと、翌日や翌々日まで疲労を引きずってしまいかねません。筋肉痛を和らげたり、次の練習を早めに再開するためにも、このゴールデンタイムを意識するのは非常に重要です。

まとめ

ロードレースやヒルクライム、クリテリウムなど、多種多様な自転車レースをめいっぱい楽しむためには、日頃の練習はもちろんのこと、レース前後の食事プランが大きなカギを握ります。1週間前から徐々に栄養バランスを整え、3日前からは炭水化物の比率を増やします。当日は胃腸に負担をかけない工夫をし、レース中は補給食でレース直後は回復のゴールデンタイムを逃さずにしっかり栄養を補給すれば、その後の疲労回復とコンディション維持がスムーズになります。

本番でトラブルを起こさないために、普段から試して最適解を見つけておきましょう。ぜひ自分に合った食事計画で練習の成果を最大限に発揮し、満足のいく結果を目指してください!

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